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くらしの中の神道

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第4回 日本のカミと神聖感覚

日本の神々は、特に神道的に表現して「八百万(やおよろず)の神」というように、古来、森羅万象に宿る無数の神霊であって、基本的には一種のアニミズム(霊魂崇拝)、あるいは広く霊的生命観を構成する霊的な存在なのです。それは日本人が古来より、綿々と営んできた宗教文化に由来するもので、多くは目に見える形を持たない、隠れた生命的霊性であると言えるでしょう。

近年の国語学の研究によって、日本語本来の「カミ」は、漢字を借りた文字表現以前の、いわば口頭伝承の上代において、動詞であるクム(籠む・隠む)や名詞のクマ(隈・熊・神など)が次第に音韻変化して、「カミ」となったことが明らかになってきました。

カミ・シモのカミも、のちに漢字を借りて上・下の「上」を充てる以前に、垂直的な上・下のウエではなく、むしろ水平状のカミ・シモのカミ、つまり本・末の意味で、川上・水上・海上などのように本源や水源を指す言葉であったのです。

つまり上代の「カミ」とは、目に見えない隠れた本源の生命的霊性を指しており、日本の「カミ」は元来、御神体をもたず、目に見えぬ存在である代わりに、生気に満ちて清らかな物象に憑依して宿るという形で、その存在を強く暗示してきたのです。だからこそ、祭では隠れた存在である神を慎んで待ち迎え、上位に祭ることでその霊力を高め、人々もまたその恩恵にあずかることを期待するのです。

カテゴリ: くらしの中の神道
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